リンゴと命題
形而上学を説明するのに、よく用いられるのが「リンゴの命題」というものです。
ひとつの赤いリンゴの存在にたいして、私たちは形而上学的な思索を巡らすことができます。
リンゴというものの属性
リンゴとはなんでしょうか。
リンゴは食べることができます。
赤い色をしています。
さわるとすべすべしています。
このくらいの大きさです。
甘酸っぱい味をしています。
こういったリンゴの属性のうち、「リンゴ」という物体と「赤い」という色は、別のものなのです。
「リンゴ」に触れることはできますが、「赤い」という概念に実際に触れることはできません。
そして、「私」の考える「赤」と、「あなた」の考える「赤」は、決して同じではないのです。
リンゴはいつまで存在するのか
この「リンゴ」ですが、いつから存在して、いつまで存在するのでしょうか。
花が咲き終わったときから「リンゴ」の実として存在するのでしょうか。
それとも、食べられるまでに熟した瞬間から「リンゴ」になるのでしょうか。
そして、いつ「リンゴ」は存在をやめるのでしょうか。
人がかじって、胃の中におさまり、「リンゴ」としての形を失った時でしょうか。
そのままそこに置かれて、腐ってその形を保つことができなくなった時でしょうか。
リンゴは何をするためのものか
こう聞けば、多くの人は、「食べるものだ」と答えるでしょう。
しかし、「リンゴ」を投げるものだと考える人、あるいはそういう瞬間があるかもしれません。
「リンゴ」を「リンゴ」たらしめているのは、実はそれを見ている私たちの意識のほうなのです。